葦(よし)を組み込んで見た目にも涼しく。
国産のスギ材、その赤身だけを贅沢に使用した夏障子です。
座敷と寄付けの二間。その間仕切りと各部屋から広縁と続く、合計で11本。
毎年6月と10月の衣替えの時期には夏障子と冬用紙貼り障子との入れ替えにお邪魔させて頂いています。季節に合わせて建具も替える日本の生活スタイルや文化・伝統に即して生活なさるお施主さんに応えたい、その一心です。無くなりつつある文化を再発見、ご依頼いただけることは建具屋冥利に尽きるというものです。
そもそもなぜ季節で建具を入れ替える文化が無くなってきているのか。
その1つとしてスペースの問題があります。夏の間は紙貼り障子を、冬の間は夏障子を、交互に保管しておくスペースがないとよく聞きます。…でも本当にそうでしょうか?
というのも。上にも書きましたがこのS様邸は全部で11本の障子を入れ替えています。物置部屋の一角に重ねて立て掛けています。保管に使っているスペースは床面積で「畳1畳分程度」です。11本で、ですよ?以外にも省スペース!
これが4本、8本ならば一般的な戸建て住宅やマンションでも十分に収納、保管できると思います。
ここでふと思うのがクリーニング屋さんのシステム。
夏物・冬物をそれぞれのオフシーズンに預かっていてくれる会社がありますよね。
…建具のオフシーズンお預かりシステム、需要ありますか???
なにぶん当工房も決して広くはないので保管場所を新たに設ける必要があるのですぐにはサービス提供出来ないのですが、多くの要望があれば前向きに検討してみようかなぁなんて考えています。
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