パウダースペースとはお化粧をするスペースのことです。
例えば女性用お手洗い。手を洗う方の邪魔にならないように、洗面所の渋滞緩和のためにパウダールーム・パウダースペースを設けることがあります。
(老若男女問わず外出先で身なりを整えるスペースは必要です。昨今では増えましたオムツ台や子供用トイレなどと同様に、今後男性用トイレにも増えたらよいなぁと思ってます。)
で。画像のお部屋は御手洗いや洗面室ではなく、なんと寝室!
正直に申しますと計画当初、寝室に洗面台が設けたいと聞いたときは違和感を覚えました。一室のスペースが限られたビジネスホテルでさえベッドの隣に洗面台はありません。「食う寝るところに住むところ」。水や火を使うスペースと寝るスペースは分ける、少し距離を取るのが当たり前だと思い込んでいました。
ですが調べていくと海外ではそうでもない地域もあるようで。寝室とバスルームは続き間になっているのが当たり前という国も。起きてすぐ顔を洗えるから良いじゃん、裸や薄着で極々プライベートな空間が近いのは当然じゃん?との意見も。なるほど、確かに利便性や機能性を追求していくとそういうカタチもありうるのかと気付かされました。
扉を開いた状態。化粧品や歯ブラシなどの壁面収納。
扉外側は周りと同じ壁紙。内側は鏡を貼り込み機能性を持たせている。
我々職人は自らの経験則に基づいて動くことが多いですが、思い込みで動いてはいけないですね。日本家屋や在来工法のセオリーや伝統には敬意を払いつつも、住む人にあわせた家づくりはまさしく十人十色だなと学んだ現場でした。
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