金継ぎとは陶磁器の割れや欠けやヒビを漆で接着し、その上から金や銀など金属粉を装飾として用いた修復技法です。前々からやってみたいなぁと思っていたのですが、幸か不幸か全く瀬戸物を割る機会が無く(笑)数年の月日が流れていたのでした。
金継ぎをやってみたい!でも……と感じるのはやはり漆を使うところではないでしょうか?生漆を素手で触るとかぶれるし、硬化させるのに程よい湿度を保たねばならないし、次の作業工程まで1週間開けるとかはザラだし、そもそも漆ってどこで売ってるの!?
なんて、なんだか難しそうですよね。
ところがそんなある日。金継ぎを模した修復方法があると聞きました。それも大池建具店の工房でもよく使うアレで!?本日は陶器の金継ぎ風修繕に挑戦したよーというお話。
早速ですが、修繕し終わった画像。古着屋か骨董屋で購入した仁丹のノベルティ灰皿?レトロであまり見かけないアイテムなのでどうしても直したかった!
こちらは裏面。割れたところはもちろん、ヒビ部分も金継ぎ風に。
さて、金継ぎ風。“風”ということは正統な金継ぎではないです。上にも書きましたが、金継ぎでは漆を接着剤として使用します。漆の代わりとなる接着剤があればひとまずカケラを器の状態にまでは持っていけるわけです。
代わりとなる接着剤。それも工房でもよく使うもの。それは……内緒です(笑)。よく工房に遊びに来てくれる方は必ず目にしていると思います。どうしても気になる方は大池建具店に遊びに来てください。秘密のレシピをこっそりお教えしますよ!……ググれば比較的すぐ答えが出てきてしまいます(笑)。
仁丹の灰皿を直していると、それを見た周りからこれも直してくれ、あれも直してくれと追加注文が。なんだかんだで、瀬戸織部のカップ(左)と大谷石のカップ(右)も修繕することに。
直した後は漏れもなく今まで通り使えるようになりました。本物の金ではなく金色の特殊塗料を使っているので電子レンジも使えます。
お客様のなかにはステンドグラスを趣味になさっている方も多いですが、そういった方ならすぐに出来ちゃうかもしれません。現在、大池建具店では正式に金継ぎ風修繕を承っているわけではありませんが、ダメ元で直したい!なんてご希望あれば最大限善処させて頂きます。
以上、金継ぎ風修繕。何か建具制作のヒントになるかな?と思って色々とチャレンジしてきますね!
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